談話会(2016/06/21)

学習院大学・数学科談話会のお知らせ

【終了しました】

日時: 2016年6月21日(火)

16:20 – 17:20 (終了後 tea-time)

場所: 学習院大学 南4号館205号室

    • 講演者: 三石史人(学習院大学)
    • 講演題目: 崩壊する3次元アレクサンドロフ空間
    • 講演要旨: 断面曲率が下に有界な完備リーマン多様体を調べる際に,その様な空間の列を取り,適切な意味の極限を考察する方法はとても有効です. ここで,一般に空間列の次元が一定であったとしても,極限空間の次元はそれ以下になります. 例えば,球面は非負曲率性を保ったまま一点につぶす事ができます. 次元が真に下がった時に,空間列は崩壊した,と言い,その様な状況で空間列と極限の位相的関係を論じる研究を崩壊理論と呼びます. ここで,注意すべきは,多様体列の極限は一般には多様体にならないという事です. そうではあるものの,極限空間は「曲率が下に有界」という概念を備えた完備距離空間になります. 一般に「曲率が下に有界」という性質を満たす完備距離空間の事をアレクサンドロフ空間と言います. 今回発表させていただく事は,上記の崩壊理論はアレクサンドロフ空間に対しても有効であるという事です. その結果を一言で表現すれば「崩壊する3次元アレクサンドロフ空間の位相が分類できた」というものです.なお,本研究は京都大学の山口孝男氏との共同研究の内容に基づくものです.
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