談話会(2017/05/30)

学習院大学・数学科談話会のお知らせ

【終了しました】

日時: 2017年5月30日(火)

16:20 – 17:20 (終了後 tea-time)

場所: 学習院大学 南4号館2階205号室

    • 講演者: 河井 公大朗 氏(学習院大学)
    • 講演題目: 特殊なホロノミー群を持つ多様体上のFrolicher-Nijenhuis bracket
    • 講演要旨: リーマン多様体の「曲がり方」を調べる方法のひとつに、ホロノミー群がある。自然な仮定のもと、取りうるホロノミー群は Berger により SO(n), U(n), SU(n), Sp(n)Sp(1), Sp(n), G2, Spin(7) のいずれかであることがわかっている。講演者は特に例外型と呼ばれるG2, Spin(7)の場合に興味を持っている。Lie 群 G2, Spin(7) は SU(n) との間に包含関係があるので、ホロノミー群が G2, Spin(7) の幾何学はカラビ・ヤウの幾何学(ホロノミー群が SU(n))とも密接に関係している。 カラビ・ヤウ多様体は様々な方面から研究されている重要な研究対象である。ゆえにそれと密接な関係にある G2, Spin(7) の幾何もまた重要な研究対象である。
      その一方で G2, Spin(7) の幾何は、カラビ・ヤウの場合ほどは研究が発展しておらず、複素幾何ではよく知られた結果も対応物がない。そこで本講演では “Froicher-Nijenhuis bracket” を用いると、いくつかの複素幾何の概念が G2, Spin(7) 幾何へ拡張できるということについて概説する。特に、複素幾何における Nijenhuis テンソル、d^c コホモロジーの一般化について概説する。本研究は H. V. Le 氏、L. Schwachhoefer 氏との共同研究である。
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