2015年8月17日

2015年度開催の 学習院大学オープン・キャンパスは終了しました。 そこで行われた模擬講義のうち、数学科関連のものをご紹介します。

 

【過去の記録】

2015年8月1日(土)【終了】

  • 時刻: 第1回 10:35-11:15, 第2回 13:35-14:15
    それぞれ 10:15, 13:15 からの学科説明に続いて行われます。
  • 場所: 中央教育研究棟4階403号室 (キャンパスマップ
  • 講師: 中野 伸 教授
  • 講義題目: チューリングマシン
  • 講義内容: 最近公開されたイギリス映画「イミテーション・ゲーム」に登場する数学者、 アラン・チューリングが考えた機械についてお話します。 映画では、多数の歯車が並んだ暗号解読機 bombe が活躍しますが、それとは別に、チューリングはコンピュータの究極的な原型ともいえる機械を考案しました。 それは、歯車や電子部品でできた現実の機械ではなく、数学者の頭の中にある仮想的な機械で、「チューリングマシン」と呼ばれています。 彼はこれを用いて、「計算」そのものの定義を与え、また、どんなに複雑な数学的命題も、原理的にはそのような機械で表現できると述べています。 さらに驚くべきことに、すべてのチューリングマシンを模倣することが可能な「万能チューリングマシン」が作れることを、数学的に証明しています。 この講義では、チューリングマシンについて簡単な実例を紹介し、「計算とは何か?」という問いの答えに少しでも近づけたらと思っています。
  • 講義ビデオSakuLIFE → 模擬講義レポート からのリンクで 講義ビデオが視聴できます

 

2015年8月2日(日)【終了】

    • 時刻: 第1回 10:35-11:15, 第2回 13:35-14:15
      それぞれ 10:15, 13:15 からの学科説明に続いて行われます。
    • 場所: 中央教育研究棟4階403号室 (キャンパスマップ
    • 講師: 中島 匠一 教授
    • 講義題目(第1回): 数値や数式の計算の工夫
    • 講義内容(第1回): 中学や高校の数学の授業では、計算の基本ルールや便利な公式をいくつも習いますね。 皆さんは、「公式さえ覚えておけば、楽勝(らくしょう)だ」と思っていませんか?  しかし、世の中は、それほど単純でもありません。 公式はたくさんあるわけですから、与えられた場面で「どの公式を使うか」を自分で判断しなければなりません。 また、学んだ公式を活用して正しい結果が得られたとしても、「その計算法がベストか?(もっとうまい計算法があるのではないか?)」と聞かれたとき、確信を持って答えられますか?  実際に、教員として学生とやり取りをしていると、「もっと簡単にできるのになあ」と思わされることが多いです。 そして、「簡単な計算法」を説明してきた経験からすると、自分で「効率的な計算法」を見つけるためには「考える力」が求められることがわかります。 この講義では、高校数学に登場する代表的な計算問題を取り上げて、「工夫した計算法」と、その考え方を説明します。
  • 講義題目(第2回): ABC予想をめぐって
  • 講義内容(第2回): 数学に「ABC予想」というものがあるのをご存知でしょうか?(注:数学の世界では、「多くの人が正しいと思っているが、証明はされていない主張」のことを「予想(conjecture)」と呼ぶ習慣があります。) 2012年に日本の数学者が、「ABC予想」を解決した、と発表して話題になりました。 「ABC予想」は Wikipedia でも取り上げられていますが、その主張は「自然数 A、B、C が A+B=C をみたすとき、……」というものです。 もちろん「……」の部分(数式が長いので、ここでは省略)が大切なのですが、「肝心の部分がよくわからない; A+B=C の何が『未解決』だというのか?」と感じる方が大部分なのではないでしょうか。 講演者は、以前は「ABC予想」にあまり関心はなかったのですが、ある出来事をきっかけに、「ABC予想」とその応用について少し詳しく調べることになりました。 この講演では、「ABC予想」の分かりにくい部分をかみ砕いて解説したあと、「ABC予想」の代表的な応用として、「フェルマーの最終定理」との関係を紹介します。

 

2015年10月24日(土)

  • 時刻: 15:05-15:45 (14:45 からの学科説明に続いて行われます。)
  • 場所: 中央教育研究棟4階403号室 (キャンパスマップ
  • 講師: 細野 忍 教授
  • 講義題目: 平面曲線の幾何学
  • 講義内容: 円、楕円、双曲線の方程式を一般化して考えると複雑な図形が現れますが、こうして得られる平面の図形を平面曲線と呼んでいます。 サイクロイド曲線のように、変数x,yの簡単な方程式で表現出来ないものもありますが、ここではそのような曲線も含めて平面曲線と考えます。 講義では、平面曲線の代表的な例をコンピュータを使ってスクリーンに示し具体的な曲線のイメージを楽しみながら、曲率や特異点などの平面曲線の古典幾何学を調べます。 その後、2変数関数のグラフや、ものの流れの様子を表す流線に現れる平面曲線など、いくつかの異なった視点から平面曲線の幾何学をさらに楽しみたいと思います。 複素数の世界で平面曲線を考えるとどうなるでしようか?  最後にこの問に触れたいと思います。