模擬講義(Open Campus 2018)

2018年度オープンキャンパスで行われた数学科教員による模擬講義について紹介します。


8月3日(金)【終了】

◎【1回目】サインカーブを作ってみよう
◎【2回目】ガウスが見つけた新しい素数の話

  • 講師:中島 匠一 先生
  • 場所:中央教育研究棟 4階 403教室
  • スケジュール:
    8月3日 1回目 2回目
    学科説明会 10:00〜10:15 13:00〜13:15
    休憩 10:15〜10:20 13:15〜13:20
    模擬講義 10:20〜11:00 13:20〜14:00
  • 内容【1回目】
    中学校で2次方程式の解の公式を学びましたが、3次方程式にも解の公式ってあるんでしょうか? 高校での3次方程式の解き方は因数定理を使うもので、ひとつの解を「うまく見つける」必要がありました。方程式を解くために「まず解を見つけて下さい」と言われては本末転倒じゃないですか。そこで、解の公式が欲しくなります。公式があれば、どんな3次方程式でも解けますし、とにかく【数学好き】にとってはうれしい。この講義では、まず2次方程式の解の公式をフツーじゃないやり方で導き、それをまねて3次方程式の解の公式がどんなふうに導かれるかお話します。キーワードは【対称性】、バラバラに見える解の間に潜む美しい対称性を鑑賞します。時間があれば、4次方程式について、そして5次方程式にまつわる悲劇的な物語にもふれたいと思います。
  • 内容【2回目】
    中学校で学んだかと思いますが、「これ以上積に分解できない自然数」を素数と呼びます。(2,3,5,7などは素数ですが、6は 6 = 2 x 3 と分解できるので素数ではありません。)高校で学ぶ複素数平面にガウス平面という別名があることからもわかるように、ガウスは、複素数を積極的に活用した大数学者です。そして、そのガウスは、複素数の世界にも「素数」があることを教えてくれました。模擬講義では、グラフィックも活用しながら、皆さんに「ガウス素数」を紹介します。

8月4日(土)【終了】

◎ 離散数学への招待

  • 講師:中野 史彦 先生
  • 場所:中央教育研究棟 4階 403教室
  • スケジュール:
    8月4日 1回目 2回目
    学科説明会 10:00〜10:15 13:00〜13:15
    休憩 10:15〜10:20 13:15〜13:20
    模擬講義 10:20〜11:00 13:20〜14:00
  • 内容:
    「離散数学」という分野に馴染みのない方も少なくないかもしれませんが、古くはグラフ上の全域木の数を数えるキルヒホッフの定理、20世紀に入ってからは完全マッチングの数を数えるカステレンの定理、最近では、互いに交わらない経路の組みを数えるゲッセルーヴィエノの定理に至るまで、数々の魅力的な定理が知られており、かつ実社会の様々な分野に応用されています。本講義ではその一例を紹介します。

10月27日(土)【終了】

◎ 名作鑑賞『パスカルの神秘六角形定理』

  • 講師:高木 寛通 先生
  • 場所:中央教育研究棟 4階 403教室
  • スケジュール:未定
    10月27日
    学科説明会 14:45〜15:00
    休憩 15:00〜15:05
    模擬講義 15:05〜15:45
  • 内容:
    数学には芸術的な側面があります。それは、数学の定理を美しいと感じることができるからです。数学の定理にも名作と呼ぶに値するものがたくさんあります。例えば、皆さんきっとご存知のピタゴラスの定理。これなど、芸術で言えば、巨匠ピタゴラスの名作と言ってよいものでしょう。ただし、数学の場合、定理は、「作る」のではなく「発見する」ので、その点はちょっと違います。さて、今回は、そんな名作のなかで、哲学者としても有名なパスカルによる、若干16歳の時の名作『神秘六角形定理』を鑑賞してもらいます。芸術作品には色々な鑑賞の仕方がありますが、数学の定理もそうです。今回は、パスカルの名作を、パスカルが初めに発見した方法(証明した方法)ではなく、射影幾何学という手法を通して、鑑賞してもらいます。なお、射影幾何学は、レオナルド・ダ・ヴィンチなどのルネッサンスの画家たちが写実的な絵を描くための手法として精力的に研究しました。そんな数学と芸術の直接的関係についても少し触れたいと思います。